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「松代大本営」地下壕工事が始まるまで

 戦況が悪化し、日本本土への空襲が避けられなくなってきた1944年初め大本営の安全な場所への移転が、陸軍の井田少佐から陸軍次官へ提言された。その後5月初旬に信州で移転先となる適地を探した結果、松代が適当となり、調査設計などの工事の準備がすすめられた。大本営移転先の適地とされた理由としては、次のようなものがあった

  1. 信州は日本の重心(海岸線から遠い)
  2. 岩盤が頑丈なこと
     10t爆弾に耐え得ること
  3. 地下施設の近くに飛行場があること
     既設でなくても場所があればよい
  4. 工事がやさしいこと
     労働者の確保や資材の搬入の容易さ、労働者の居住や資材集積の場所があること。
  5. 風格や品位といった環境があること。
     信州が「神州」につながるなど地名に品位があることや、民家が少なく機密保持がしやすいこと

 同年9月には、陸軍大臣から着工命令が出た。すぐに資材搬入を開始し、10月には朝鮮人労働者用の飯場ができ、事実上の工事が始まった。そして、地下壕を掘削する第1号発破が、11月11日に象山(イ地区)でかけられたのである。

 また、天皇御座所については、この翌年、1945年3月に着工命令が出された。

工事開始までの流れ