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「松代大本営」工事に動員された朝鮮人労働者

 大本営の現場作業は、強制連行されたり、日本各地の工事現場から移された朝鮮人労働者や、勤労動員された日本人が当たった。固い岩盤を相手に発破(はっぱ)を使う、昼夜二交替の最も過酷な労働を強いられたのは朝鮮人労働者たちであった。その数は今だに定かではないが、7,000人以上ともいわれている。

→参考:現在のトンネル工事の流れ 2003/1/19 Up

 そうした朝鮮人労働者の一人で、戦後も松代に住んでいた故・崔小岩さん(チェ・ソアム、韓国・慶尚南道出身)の証言では、不発の発破に触れて仲間4人が吹き飛んだという。

「穴の中でバラバラになった仲間の遺体を必死に集めたが、どうしても頭が一つ見つからない。と、上から水のようなものが落ちてきたと思って見たら、その人の首が天井の板に挟まっていた」

という壮絶な日々だった。食事はコーリャン七分、米三分の粗末なもの。空腹のため、ダイナマイトに使ってあるモチ米を食べたという。

 大本営工事の犠牲者の数は全く明らかにされていない。「多い日には5、6人が死んだ」などの証言もあるが、遺体の埋葬場所さえほとんどわかっていない。